プログラミング教育の必修化などで、子供たちの「論理的思考力」を育むことの重要性が注目されています。この力はプログラマーを目指す場合はもちろん、これからの時代を生きる上でも欠かせないと言われますが、一体どのような力なのでしょうか。実は、特別な訓練をしなくても、普段の家庭生活の中にこそ、この力を楽しく伸ばすヒントがたくさん隠されています。
「論理的思考力」と聞くと少し難しく感じるかもしれません。しかし、これは「物事を順序立てて考える力」や「効率的な段取りを組む力」のことです。例えばプログラミングは、この「段取り」をコンピューターに正確に伝える作業であり、論理的思考を鍛える良い訓練になります。この力は、計画的に物事を進めたり、問題に直面したときに解決策を見つけ出したりと、将来どんな道に進むとしても役立つ大切なスキルです。
では、家庭では具体的にどのようなことができるでしょう。例えば、夕飯のカレー作りも立派なトレーニングになります。「おいしいカレーを作る」という目標のために、野菜を切る、肉を炒める、煮込むといった手順を考え、どうすれば効率よく進められるかを子供と一緒に話し合ってみましょう。また、「お買い物」も絶好の機会です。買うものをリストアップし、お店のどこに何があるかを想像しながら、一番短い時間で回れるルートを計画させるのです。これも、目的を達成するための最適な手順を考える、まさに論理的思考のトレーニングです。
大切なのは、答えを教えることではありません。「なぜこうなるんだろう?」「どうすればうまくいくかな?」と、子供が自分で考えるきっかけとなる問いを投げかけることです。日常生活のあらゆる場面が、子供の思考力を磨くための最高の遊び場になります。親子の会話を通じて、考えることの楽しさそのものを伝えてあげることが、子供の将来のためになるでしょう。